右脳塔よりの眺望

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さるさる日記

2002/06/09 (日) 欲望は終わらない〜1〜

※筆者都合により長期に渡り更新が滞りました事を心よりお詫び申し上げます。

《前回までのあらすじ》
占いにより孤独死を予言されつつも遂に何かを発見したカコ。彼女の眼の先にあるものは、宝か絶望か?!

 降りしきる雨に視界を阻まれつつも、波打つ池面に目を凝らす。我が尊き未来を暗黒に塗り替えた占い紙が静かに横たわる水の底、私は何やら気になる気配を感じたのであった。

・・・んん???!!!

池底に沈む占い紙の白の上、ポッコリと黒い影が一つ。大きさ4〜5cm。丸い頭部にスレンダーな尻尾。水の底で雨粒の波紋に揺らめくその姿。これはまさしく・・・・!!!肩に降りかかる雨をもろともせず、池の淵に這いつくばって影を確認する私。恋占に踊らされる一女子から、一攫千金任務をおびた隊長へと、瞬時に脳が切り替わる。見つけた。遂に見つけたぞ。伝説の鏡の池の・・・

イモリ君を!!!

黒焼きにすると惚れ薬と化す伝説の両棲類!!!
江戸時代より語り継がれた禁断の秘薬!!!
今明かされる秘宝の正体!!!
お宝遂にはっっっけーーーーーん!!!

 そう、私が探し求めていた今世紀最大の金の成る木。それは伝説の池に棲むイモリ君であった。チョンマゲ&長屋の時代から、蝦蟇の油と共に道端で売られる定番胡散臭商品・イモリの黒焼き惚れ薬。愛無き時代の救世主。物質と情報は余る程有れど心の豊かさは日々喪失され続ける、そんな現代人のハートを鷲掴むであろう、この古くて新しい未来の必携アイテム、ザ・惚れ薬☆KAKO21MAX!!!定価99万9千9百80円!!!(商標登録:0123××××、類似品に御注意下さい)夢は膨らむ、何処までも!未来は僕の手の中に!いざ捕獲!ターゲット・ロックオン!!!

↓※下の「欲望は終わらない〜2〜」へ続きます

2002/06/09 (日) 欲望は終わらない〜2〜

 気配を悟られぬよう、イモリ君の背後へと静かに手を伸ばす。ほぉ〜ら、何にも怖がることは無いんだよぉ〜・・・この私が君に最高の水槽生活を約束してあげるからね〜・・・繁殖という名目でメスイモリちゃん達も食い放題だぞ〜〜・・・(←勝手にオスと決め付けているヤツ)

・・・ん?・・・繁殖?

背筋に冷たいものを感じる私。イモリ君に伸ばしかけた手を止め、今一度池の中を見回してみる。一気に我が左脳に走る現実。

イモリが・・・1匹しか居らん。

ぬあぁあぁぁぁああ!!!迂闊!!!ロンリーイモリ君かよ!!!

これでは繁殖は不可能である。例え一般に売られているイモリをあてがって繁殖を試みたとしても、世代を重ねる毎に伝説の池印の遺伝子は薄れ、薬の効果は減っていくだろう。もしこの池の水質自体に何か特殊な成分が含まれており、それによって特別なイモリが育つとしても、水槽での飼育の為にその都度この小さな池から水を汲んでいたのではいずれ事業規模が拡大した時に生産が追いつかない。ハッ?!もしや土壌か?!この森の土に何か特殊な成分があるのか?!どちらにしろ・・・今この時点では・・・

イモリ君、採取不能。

雨にぬかるんだ池の淵、ガックリと膝を突く私。目の前にあるにもかかわらず、手に入れることが出来ないなんて・・・あぁ・・・。

こうしてカコの一攫千金の夢はその第一幕を閉じたのでありました。降りしきる雨の下、ひとつの新たな決意を残して。

「金作って・・・いつかココの土地一帯を買おう・・・」

カコが見据える遥か彼方に、青空が覗き始めていた。

教訓:何をするにも先立つ金が必要です。
告知:イモリプロジェクト2002の出資者を募集します。まだ諦めません。

2002/03/22 (金) 黒の予言〜1〜

※筆者都合により更新が滞りました事を心よりお詫び申し上げます。諸事情によりこのような事がこれから度々あるやもしれませんが、今後も気長に御愛顧宜しくお願い致しまする。

《前回までのあらすじ》
首尾良く沈んだ占い紙に喜ぶカコ。だが、占い結果はその裏に不吉な予言を内包していた・・・どうなるカコの恋愛運!

**********

 愚かな敗北者を嘲笑うかの如き眼差しを、私に向けるS隊員。何?何なの?その含み笑いは???降りしきる雨の中、占い紙が池底に横たわる光景が、我が脳に或る重大な事実を認識させ始める。待てよ・・・隣りで占っていた3人組の女子達の紙の行方は・・・
 不吉を感じ取り半ばフリーズ状態の頭がはじき出した状況分析の結果、

1人目の紙 → 池内西側方向の縁へ流れ、目出度く沈没。
2人目の紙 → 北側方向へ流れ、池内中央付近で目出度く沈没。
3人目の紙 → 池内北側方向の縁へ流れ、目出度く沈没。

そして、未来の億万長者にして史上最大のハーレム所有者になる予定のカコ女史の紙は・・・!池縁にしゃがみこみ、もう一度その悪夢のような光景を確かめてみる。認めたくない。認めたくないが、揺らぐ池の底、両の眼がしかと捕らえた我が占い紙の様子を容赦なく報告する大脳くん。

明らかに 浮かべたその場で 沈没していると思われる

※以下『黒の予言〜2〜』へ続く

2002/03/22 (金) 黒の予言〜2〜

 茫然としながらも背後に動きを感じ振り返ると、S隊員が占いハウツーの書かれた看板を指差し嘲笑を浮かべている。ああ、分かっているさ、分かっているとも。読者の皆様、御記憶でしょうか。紙が沈んだ時間が婚期の早遅を表すと同時に、紙の流れた方向が良縁の在処を示すという、二重の罠を。つまり、私の隣りで占っていた3人の女子達を例にとり考えれば、西側方向へ流れた女子の場合、西へ西へとひたすら歩を進めればその先には運命の相手がバラの花をくわえて腕立て伏せをしているかもしれず、北へ流れた女子はその先に音信不通になっていた幼なじみが彼女を思いながらセーターを編んでいるかもしれないのだ。さぁ、皆様も既にお気づきのはず。もはや考えたくもないが、紙が何処にも流れて行かなかった場合、浮かべたその場に沈んだ紙が物語る予言とは、

おぬしには運命のおのこは居らぬ
っていうか、誰も貴様のことなど待ってねぇよ

だぁぁぁあああ!!!俺は認めないぞ、そんなふざけた結果など!!!しつこく池底の紙を凝視してみる。いくらなんでも1センチ、いや1ミリくらいは動いているはずに違いない!!!コンタクトレンズが視線で破れそうな程に目を凝らすが、1ミリどころか1ナノミリも動いた気配はナッシング。雨に濁り始めた池の水に我が虚脱顔が虚しく映るのみ。
 何が悲しくて紙切れ一枚に孤独死の予言をされねばならんのだ。友人達が孫に囲まれ二世帯住宅で暮らしている中、俺はボロ長屋でボランティア支給の弁当をつつくのか。ああ・・・せめて老健施設くらいには入れるように貯金しとかにゃ・・・

女21歳、降りしきる冬の豪雨の中、独り放心。

死んだ魚のような眼差しで池底の憎き占い紙を眺める私。もはや億万長者計画の為の宝探索をする気力も雲散霧消、こうなったら大手書店で買い物をすると必ずそっと袋に入っている結婚相談ハガキを出すしかあるまい、などと自虐な行動を想像し始めた、

その時!!!
視線の先に信じられないものが!!!

カコ遂に宝発見か?!!!次回乞う御期待!!!

2002/03/08 (金) 葛藤、そして

※筆者都合により先週の更新が滞りました事を、心よりお詫び申し上げます。

《前回までのあらすじ》
惚れ薬探索の為、恋占いに挑戦するカコ。女のプライドをかけ姑息な手段に走るが・・・?!

**********

 自然体を装い、10円玉を紙の上に置く。脳内でせめぎ合う天使と悪魔の声。

【天使カコ】
ダメよ、カコ!そんな事して結果を出したって、所詮それは嘘なのよ!
今からでも遅くないわ!10円玉をお財布に戻して、5円玉を乗せるのよ!

【悪魔カコ】
馬鹿野郎、重い硬貨ほど沈みが早いってことは、
この占いにどれだけ注ぎこめるか試されてんだよ。

【天使カコ】
伝統の恋占いをそんな風に考えちゃいけないわ!
良縁を心から願えば5円玉でも紙は必ず沈むはずよ!

【悪魔カコ】
オマエは阿呆か。
5円ぽっちよか10円、10円より100円、
100円より500円、池に沈める根性のある奴のほうが幸せになれる、
そういう仕組みなんだよ。

水を吸って柔らかくなった紙の中心がククッと凹む。

むぅ・・・どうする俺?!

と、その時、突然雨足が強まり出した。先程までは空気を湿らせる程度の霧雨だったのに、今や傘が必要な程。ボタボタと落ちてくる大粒の雨に叩かれ、占い紙は沈む気配を見せ出す。オォ!これは自然現象までもが我が味方に!一気に悪魔側へシフトする我が意識。そうだ、私は何もズルイ事はしていない!自分が置きたいと思う硬貨を選んだ、唯それだけの事!万事障り無し!!!

→ どさくさまぎれで、悪魔勝利。

打ち付ける雨粒の下、疑惑の10円玉を乗せた我が占い紙がみるみる沈む。5円玉を置いた隣の女子達の紙も、同じく急速度で沈んでゆく。あぁ、良かった。これでみんな幸せだね。きっと神様がボクの為にこの雨を降らせてくれたんだね。すっかり池底に沈んだ自分の紙を見て、女子達も満足顔だ。ワイワイと感想を述べ合いながら去ってゆく。「もう沈んじゃったよ。こりゃ来年辺り電撃入籍とかしちまうかもね!」などとS隊員に軽口を叩く私。さぁて、占いごっこも終わったし、本来の任務・お宝探しに集中するとするか!
 と、その時、傘を広げながらS隊員が一言。

「カコの紙、全然動かなかったね。プッ(笑)」

エッ・・・・・

途端に或る事に気付き、蒼白になる私。そう言えば・・・
次回、衝撃の占い結果判明。カコの恋愛運の行方や如何に?!

2002/02/22 (金) 女心と5円玉〜1〜

《前回までのあらすじ》
遂に惚れ薬の在処・八重垣神社に到着したカコ&S隊員。しかし宝への道程には「恋占い」という難所が待ち構えていた!

**********

 強まり始めた雨足の中、社殿の前を通り過ぎ裏手の森へ向かう。目指すは木立の奥、「鏡の池」なる秘境。そこに宝が眠っているのだ。空高く聳える杉の木々の間を縫い、森の深奥へと分け入って行く。キンと澄んだ空気が頬を撫でる。足元には冒険者達の行く手を阻むように力強く這う杉の根。流石、古代の至宝を擁する場所、その神秘度はなかなかのものだ。
 と、行く先に見え隠れする小さな窪地に人の気配。ハハァ、あそこが「鏡の池」だな。宝の眠る超重要地でありながら、伝統の恋占いに己の恋路を託す愚民どもが集まる場所でもあるミラクルスポット。どれどれ、どんな様をしておるのだ、「鏡の池」よ。
 窪地に降り立ち、辺りの様子を窺ってみる。浅く小さな古池の周りに、キャアキャアと群がるうら若き女子達が3人ほど。池には数枚の白紙が浮かべられ、彼女達はその紙の動きに一喜一憂し盛り上がっているようだ。成る程、あれが噂の恋占いだな。まさか彼女達の目の前で池を捜索するわけにもいかぬ。ここは予定通り「恋占いをしにきたウキウキ女子」を演じるとするか。
 早速はしゃいだ声音でS隊員を呼びつける。「こっちこっち!ここで占いすんの!」社殿の前を通った際に首尾良く巫女から貰っておいた白紙を取り出し、池の淵に立てられた占いハウツー看板を読む。ナニナニ、紙に硬貨を乗せて池に浮かべ、紙が早く沈めば良縁が近く、沈むのが遅ければ縁は遠いそうな。で、紙が流れていった方角に運命の相手がいるらしい。それであの女子どもは先程から紙を見つめて騒いでいるというわけか。小馬鹿にしていたS隊員も「ボクもやれば良かったかなぁ〜」と興味津々顔。なにはともあれ、占いの紙を見る振りをしながら存分に宝の池を研究出来るわけだ。計画通りの展開。後は宝を発見しゲットするのみ。ミッションは8割方完了したも同然だな!

2002/02/22 (金) 女心と5円玉〜2〜

 「緊張する〜」などとほざき、可愛い女子を演じながら池に近づく。騒いでいる3人組の隣に陣取って私も占い(本当は宝捜索)開始。えっと、紙を浮かべてその上に硬貨を置くんだよな。財布を探って見る。500円玉と100円玉、50円玉、10円玉、5円玉、1円玉。選り取りみどりだが・・・。隣の3人組の紙を盗み見てみる。プカプカと漂う紙の上、皆一様に鎮座ましましている5円玉。成る程「ゴエンがありますように」ということか。それに倣って私も5円玉を取り出し、紙の上に置こうとした瞬間、

!!!

ふと脳裏をよぎる悪魔の囁き。

「5円玉って、軽いよな・・・・」

紙が沈む速度=婚期の早遅なのだ。つまり、

沈むのが遅い → 婚期、遅。
沈むのが激遅い → 婚期、激遅。
沈まない → 孤独死。

横ではしゃいでいる3人組の紙もなかなか沈む気配を見せていない。やっ、やだよ!いくら占いとは言え、沈まずじまいで一生独り身予言されるなんて!ぬぅぅぅ・・・。
 よくよく見てみると池の底に沈んでいる無数の紙と硬貨の中には、5円玉の他にも10円玉や100円玉がチラホラしている。必ずしも5円玉でなくても良いのなら・・・

・・・思わず500円玉を取り出しそうになる私。

いや、しかし、私にもプライドというものが有る。
ここはやはり皆と同じ5円玉で勝負するべきではないのか?!

いや!いやいやいや!私には筋肉に対する熱いこだわりがあるんだ!
それに変な冒険好きだし、映画ヲタクだし、ライブ行ったら人格変わるし、
そのハンデの度合いは計り知れない!
一般の女子より3歩先にスタートさせろ!!!

苦しい自問自答の末、震える我が手が紙の上に置いたのは・・・

10円玉。(←中途半端に重い)

さぁ、次回怒涛の恋占いバトル開始!カコの紙は沈むのか?!乞う御期待!

2002/02/14 (木) 復讐の序曲

《前回までのあらすじ》
カコの計画を嗅ぎ付けたのか、追及の手を緩めないS隊員。カコは用意した言い訳を渋々使い始めるが・・・

**********

「何で?神社なら出雲大社行った方がいいのに」

観光旅行的正論をかますS隊員。

「うん・・・あ〜、あれだよ、あれ」

どっかのオヤジのような物言いになる私。

「何?何、何???」

S隊員は、もう絶対逃がしはしまい、といった様子。

「・・・う・・・占い」

「ハァ?」

「恋愛占いがね・・・出来るんだって、その神社」

モゴモゴと答える私。

ダァーーー!!!屈辱!!!夢見る女子中学生でもあるまいし、わざわざ一人旅で神社に出向いて己の男運を占う奴があるか!!!S隊員も「へ、へぇ〜・・・」と、さすがに引いたリアクションを見せる。違う、違うんだ、俺様の真の目的はそんなショボイ恋占などではないんだぁ!!!・・・でも、本当の理由を明かせば分け前が・・・。オイ、S隊員!何気に私から遠ざかるなよ!何故離れた席に移動するんじゃ!すっかり小馬鹿にしきった表情で、私の顔を眺めるS隊員。ぬぁぁ!ムカツク!!!首尾良く惚れ薬を獲得した暁には、この世の生物とは思えぬ程の不細工ウーマンに一服盛り、地獄の果てまで貴様を追わせてやるからな!恥辱と怒りの中、バスはいよいよ八重垣神社に到着。転がるように外へ踊り出る私。宝は直ぐ其処だ。
 相変わらずシトシト降り続く雨。ぬかるむ道をもろともせず、先を急ぐ。今や目的は1つに非ず。自らの財を成すだけでなく、半笑いで付いて来るこのクソ隊員に天上天下最悪の復讐をかます必要がある。
 いよいよ前方に目指す八重垣神社が姿を現し始める。冬の霧雨に煙り、静かに聳える神の社。流石に荘厳だ。社殿見学は後回しにし、直ぐに裏手の森へと歩を進める。真の目的地はその奥、静謐な木立の合間で密かに水を湛える「鏡の池」というスポット。情報によると、この池に宝が眠っているらしい。しかし其処では例の恋占いイベントが行われており、大概の観光客は自らの愛の行方を占って一喜一憂するのだそうだ。宝を手に入れるには、それら愚民の観光客に紛れて占いをすると見せかけ、裏で捜索を行うしかあるまい。これが我が任務計画である。ターゲットを捕獲するだけでなく、演技力をも必要とする高度な任務だ。先は厳しい。
 次回、カコ、伝統ある恋占いに挑戦!乞う御期待!

2002/02/04 (月) それは言えないの

《前回までのあらすじ》
脅威のお宝・惚れ薬へ向かって走るバスの中、妄想にほくそえむカコ。彼女の不審な様子に気付き追及を始めるS隊員。宝の秘密は守られるのか?!

**********

 不思議そうに私の顔を覗き込むS隊員の眼差しに、慌てて笑みを隠す私。宝の秘密を知られてはならない。

許せ、S隊員。庶民の雑草生活こそが君の幸せなのだよ。

痛む良心を切り捨て、窓を流れる雨へと視線を逸らす。すまん・・・君の役目は道に迷った場合のナビ、そして任務遂行時に万一神の怒りを買ってしまった場合の人柱だ。長い歳月で培った友情も富の誘惑の前では無力、こんな私を恨んでくれ。口をつぐむ私をS隊員は怪訝そうに見つめている。こやつめ、まさか何か感づいたのではあるまいな・・・。

「ねぇ、ドコ行くの?」

食い下がるS隊員。

宝の事は伏せるにしても、まぁ、これは予想された問いだ。電波○年に駆り出された若手芸人でもないのだから、己が向かっている場所くらいは教えてやっても障り無いだろう。

「あー、八重垣神社ってトコロをね、見ようかなと思って」

神社。国内観光旅行の定番アンサーだろう。疑われはしまい。

しかし、即座に切り返すS隊員。

「? 神社なんかに、何しに行くの?」

言葉に詰まる私。チキショウ・・・私が特に神社なぞに興味が無いことくらいお見通しというわけか。確かにここ松江には私のアドベンチャー心をくすぐるハズの物件が他にいくらでも在るのだ。刀や甲冑などの時代モノ浪漫満載な松江城、ガメラにそっくりな石造りの巨大亀、オバケ文学の大家・小泉八雲の旧家など、一度は足を踏み入れておくべき箇所が盛り沢山なのである。そこを敢えて神社などという癒し系スポットに行きたいとは何かおかしいゾ、とS隊員は踏んだらしい。益々興味津々の表情で、私の顔を覗き込んでくる。

「だから、何しに行くの???神社に」

くぅぅ・・・まだ食い下がるか・・・

 実は私にはこんな時の為に用意してきた言い逃れがあった。目指す八重垣神社では、宝の眠るポイントで、縁結び神社ならではのイベントが細々と行われているのだが、それを言い訳にすればお宝捜索には非常に都合が良いのだ。しかし、その言い訳がちと恥ずかしい。ぬぅ・・・どうしたものか・・・。口ごもる私。何かを嗅ぎ付けワクワク顔のS隊員。
 次回、こっぱずかしい言い訳公開!乞う御期待!

2002/01/28 (月) 妄想狂の詩〜世界征服編〜

《前回までのあらすじ》
目前に迫ったお宝に、妄想を膨らませるカコ。日常から世界規模へ、賎しき計画はとどまるところを知らず・・・?!

**********

 さて欲望全開のテスト使用が終われば、次はいよいよ銭儲け。アラブの石油王に一服盛って嫁になり、遺産相続?ハリウッド・スターに蒔いて、バブリー生活?大手製薬会社に高額で売りつけるのも良いね!でもまあ、ここは、テスト使用で手に入れた玩具達を侍らせつつ、起業してネットで売りさばくのが太く長く銭を稼ぐ上等手段であろう。何と言っても無条件に相手の感情を操ってしまう脅威の薬品であるから、売買の際には相当な審査が必要だ。あまりに不細工な人間に売りつけると、結果的に世界人口における不細工発生率が上昇し自らの環境を汚すことにもなりかねない。ここはひとつ、審査と称して顧客の顔偏差値・頭脳偏差値・人間性偏差値をはじき出し、その結果によって変動価格制にするか・・・
 いよいよ妄想は極限まで肥大し、バスの窓ガラスに映る我が頬が喜色に歪む。計画は完璧だ。宝は直ぐ其処に!富も直ぐ其処に!ついでに私設ハーレムも直ぐ其処に!アッヒャッヒャッヒャッこりゃ笑いが止まらんわい!!!余りの至福に口端からヨダレが顔を出しそうになる私。あまりの不審な様子に、隣のS隊員が問いを発する。

「ねぇ、何処に行くの?」

ハッッッ!!!ヤバイ!!!

 言っておくが、今回の任務目的はS隊員には一切明かされていない。組織たるもの、下々の者まで情報を流してしまっては機密保持性が弱くなるからして、肝要な部分は上層部レベルに留めておくべきなのだ。それに・・・ブツが見つかった場合・・・分け前が・・・・・ねぇ・・・
 さぁどうするカコ!宝の秘密は死んでも明かせぬ!!!次回、カコ決死の言い逃れ劇!そのしどろもどろぶりたるや、浮気がバレた男の如し!乞う御期待!

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