ベースケットボール・ダイアリーズ

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さるさる日記
■2001/09/18 (火) ザ・ショックス

 打ち止めとか言っておきながらもうちょっと。

・「ああ、デカい取引に失敗した。死にたい。もしくは会社がビルごとブッ壊れないかなあ」と思いつつ、針のむしろの如き上司のイヤミを延々と聞かされていた最中の証券マン。
・トイレの片隅で、道に外れた愛の行為の真っ最中だったカップル(性別不問)。
・先物で大失敗をした顧客、それも金融に疎かった老婆に朝から電話をし、情け容赦なく罵倒の言葉を浴びせていた最中のキャリア・ウーマン。
・エレベーター内で、前に立った女性の尻に好色な視線をべっとり這わせていたバイク便の青年。
・たった今進行中の書類チェックで、10年間に渡る巨額の横領がまさにばれようとしていたCEO。
・週末のパーティーで酔っぱらい、同フロアのよく知らない女と事に及び、忘れようとして痛飲、二日酔いと悔悟の念で押しつぶされそうな35歳(結婚三年目)。
・気のきいたジョークを言ったつもりが、朝のテレビの受け売りであった事を指摘されて耳まで赤くなった経理の中年女性。
・両親の事故死を伝える電話が机の上で鳴り続けていたヤング・エグゼクティブ(本人はコーヒーをもう一口飲んだら電話に出ようと思っていた)。
・コンピュータに向かって仕事をしている風を装いながら、オークションサイトで18世紀のアンティークを落札しようとしていた新入社員。
・前日、人を殺してきた男。
・ネットで『スパイダーマン』の予告を観て、横の同僚に「見ろよ、うちのビルにスパイディーが巣を張ってるぜ」と思わず叫んだコミック・コレクター(の証券マン)。
・エレベーター内で、「後ろのバイク便の青年がいやらしい目で私のお尻を見てる。ふふ」と思っていた渉外担当の女性(若作り)。
・週末のパーティーで、以前から目をつけていた同フロアの男とうまいことベッド・インに成功、今日はさっそくデートのおねだりをしようと思っていた女性。
・イスラム教への改宗をしよう、と思い立ち、英訳版のコーランを熱心に読んでいた最中のアフリカ系アメリカ人男性。
・ヤング・エグゼクティブの机の上の砂糖ポットめがけてアクロバット飛行していた蝿のリチャード。

以下4985項目(か、それ以上)。

■2001/09/14 (金) カタストロフ

 どっちを向いても米国同時多発テロの話題でもちきりである。どうでもいいけど「米国同時多発テロ」は座りが悪いので、できれば「デスクラッシュNY」とかそういう名前があるといいと思うんだが(「砂漠の嵐」作戦とか前例があるので、不謹慎とは言わせない)。で、もちきりなのはいいんだが、ナイーブというか純朴というか、同じことを英語と日本語で繰り返してるだけで申し訳ないが、マスコミでもネットでもそんな感想ばかりで、どうにも。簡単に分類するとこんな感じ。
1)絶叫型(大変だ戦争だ悲劇だ)
2)政治型(民主主義への挑戦だっ/とはいえ中東情勢は複雑なのです)
3)断罪型(罪のない一般市民を。許せない許せない)
4)映画型(『ID4』だ『メデューサ・タッチ』だ『タービュランス/乱気流』だetc.)
5)驚愕型(ああビックリした)
 そして挨拶代わりになり、やがて飲み屋の話題として消費される。
 こういう時に必ず頭に浮かぶのは、引用するのも恥ずかしいがマルセル・デュシャンの墓碑銘「されど死ぬのはいつも他人ばかり」で、自殺ミッションを決行したテロリスト以外、みんな「でも自分は死なないだろう。今までも平気だったし」と思っていただろうことを想像すると気が滅入ります。それはともかく、今回の事件で最大の問題は、大量殺人メガデスにも関わらず、絵柄が爆発シーンなので大惨事が具体的にイメージできないところにある。Xウイングのパイロットがコックピットで炎に包まれるのは悲惨だが、オルデラーン星が惑星破壊レーザーでブッとばされてもあんまり悲惨に感じないのに似た感覚だ。巨大な死の光景は、逆に個人の死を貶める効果がある。そうじゃなかったら到底正視できない光景のはずなのに延々リピート放映されているのは、放送局も観ている側もメガデスをイメージできていないからだ。人間の想像力というのは意外と貧困なので、実感をもって千人以上の死を理解することは難しい。為政者はそこんとこよく分かってるので、戦争における死は必ず数字だ。
 だから、先に挙げた感想の数々が何でイヤかっていうと、マスで物を見ているところだ。個人がいっぱい死んだのに。
 最後になったが、どんな悲劇もいつでも冗談にしてよい、という私の信念は変わらない事を述べて打ち止めとしたい。おしまい。

■2001/09/13 (木) カプリコン・1





真相がこうならだいぶ気が楽だったんだが。


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